02.勉強会へ参加して

デトロイトの凄腕エージェント「エージさん」。
この人の開催する勉強会に出席しますと、他のオーナーさんたちとも知り合うようになり、お茶会を通じて、デトロイト物件の話を聞く機会も有りました。ツアーを利用して現地にいった方も何人かいましたし、既に2軒目を保有している人もいたので、私なりに疑問に思っている事を幾つか尋ねました。

勉強会で自信を深める で・とろい子

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物件管理については、現地の管理人の評判は上々、小さなトラブルは有るものの、概ね皆さん満足していました。というのも、そのグループでは管理会社を変えたばかりで、前の管理会社と比べると相対的に改善された、と喜んでいるようでした。

この投資家グループ全体での保有件数は100軒近くて、このすべてを現地管理人は一人でこなしていたので、行き詰まる事は時間の問題でしたが、当時の我々は、少なくとも私は、そんなことに気づくわけも無く、”管理人”であり”保険代理人”でもあり、”弁護士のライセンス”を保有している彼、仮にMr G とでもしておきましょう、G氏に管理を任せれば大丈夫という気になりました。

ひとつ頭に浮かんだのは<最後はどうするのかしら>という点です。出口戦略とでもいうべきこの点については、グループの皆さんは長期保有を考えているので特に今は気にしていない、との答えでした。エージさんに尋ねたときは、

「これまでにexitを向かえた人は2人で、一人は英語でのやり取りの煩わしさにギブアップ、もう一人は為替の変動に堪えられずにギブアップしました」

「高齢の方だったからでしょう。いずれも他の会員さんが買い取りましたよ」

これを聞いて私は<やっぱ長期投資が基本よね~最後は誰かに買い取ってもらえるんだ~>と勝手に解釈し、安心してしまいます。

このG氏に管理を任せる形で、一軒目を購入したのは2011年の4月のことでした。購入手続きの中でメールでのやり取りはもちろん、エージさんとカフェで打ち合わせをするのですが、発売されたばかりのi pad を使って、テキパキと説明してくれます。

それはいつしか妄想へ

海外の銀行口座など保有していない私には、日本語サービスがある銀行を教えてくれましたので、そこで当座預金口座を作りました。<普通預金とのちがいもよくわからない>まま、小切手手帳なるものも申し込みました。
また、中古物件の原価償却を活用した節税のスキルや、償却期間経過後にLLCという法人を設立しての相続税対策や、タックスヘイブンでの高金利な資産運用の事などを話してくれました。

ビジネスライクな話だけでなく、海外生活が長い上での苦労話や、これまでの半生での私生活でのトラブルなどもフランクに話してくれました。
何もわからない私にエージさんは親切で、打ち合わせの最中でもSkypeで、直ぐにG氏に連絡をいれては確認してくれました。私は益々エージさんを尊敬し、カッコいいエージさんが使うi pad を真似して買ってしまうくらいでした。

<5軒位所有したら会社設立して、プライベートバンカーを紹介してもらって…起業かぁ…>

妄想は留まるところを知りませんでした。

仕事で忙しくて、ほとんど家に帰ることの無い夫には、<アメリカで家を買ったよ>と言っても興味が無いようでした。元々週の半分は会社近くのホテル暮らしで、週末しか家に帰らなかった夫でしたが、2010年の春頃から、かなり言動がおかしくなり、私に支離滅裂な要求をするようになり、夏以降は週末も家に帰らなくなっていました(この時の話はいつか、スピンオフ版で)。

経営する会社の資金繰りに苦労する夫と、トラブルメーカーの次女(鬼畜.当時 中2 この話もいつかスピンオフ版で)に心身ともに疲弊した私は、家賃収入を元手に家庭から自由になりたい、自由になれるかも、と藁をもつかむ思いでした。

沢山の書類にイニシャルでサインし、ドル送金を済ませると、あっけなく不動産オーナーになれました。デトロイトの小さな家にはテナントがついていて、$700から諸経費を引かれた僅かな家賃がきちんと通帳に入金された時は、何だかとっても嬉しかったです。2,3か月経つと二軒目がほしくなりました。

「二軒目が欲しいです。新しめで、テナント付きのをお願いします」

「はいはい、わかりました、ちょっと待ってて下さいね」

2011年9月、一軒目とは離れたエリア(らしい)所に、二軒目を購入しました。

で・とろい子

記者のプロフィール

で・とろい子
で・とろい子
1993年に中央大学法学部を卒業後すぐ、結婚・出産。結婚相手の会社で名ばかり役 員をしながら育児に専念するも、放漫経営によって家計も家庭も破綻。資格取得を目指すなど身の振り方を模索するなか、競売不動産投資で成功する方達に触発され、海外に夢を求めて2011年の震災後にデトロイトに物件を購入。格闘技を見るとなぜだか血が騒ぐ、懲りない大家。
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